「アウェイ遠征って何が楽しいの?」ベレーザ/WEリーグ遠征座談会2026【遠征部】

シーズンが終わると、タイムラインはあっという間に契約更新や移籍、新シーズンの日程の話に流れていきます。

もちろんそれはそれで楽しいのですが、その一方で、昨季のアウェイ遠征で見た景色や、食べたものや、帰り道の感情は、意識して残さないとすぐに薄れていきます。

試合の結果は記録に残ります。でも、アウェイ遠征の記憶はそれだけではありません。街の空気、ごはん、スタジアムまでの道のり、天気、現地で感じた雰囲気。そういうものが重なって、あとから「あの遠征、よかったな」と思い出されます。

アウェイ遠征へ向かう新幹線
アウェイ遠征は、スタジアムに着く前から始まっている。

今回は、ベレーザのアウェイ遠征について、普段から現地に足を運んでいる二人と話してみました。

テーマは一応「昨季行ってよかった遠征」ですが、きっちりランキングを決めることが目的ではありません。むしろ、ランキングを入口にして、それぞれの遠征の楽しみ方や価値観を掘っていく座談会です。

読んだ人が「アウェイ遠征って楽しそう」「次は自分も行ってみたい」と少しでも思ってくれたら嬉しいです。

今回の座談会参加者
マト
マト
2022年から日テレ・東京ヴェルディベレーザを中心に観戦。昨季もベレーザのホーム、アウェイをできる限り現地で追いかけた。今回は聞き手として参加。
るぱ
るぱ
2022年ごろからベレーザを観戦。きっかけは、旦那に誘われて見に行った女子サッカーの試合。北村菜々美選手に一目惚れしてから、ベレーザを追いかけるように。遠征では街、ごはん、日本酒も大事にしている。
ともか
ともか
2021年9月、WEリーグ開幕の頃からベレーザを観戦。東京オリンピックで北村菜々美選手を見つけ、「行ける範囲のベレーザにいるなら見てみよう」と現地へ。国内アウェイだけでなく、海外まで選手を追いかける行動力の持ち主。

今回は、なるべく座談会の空気を残しながら、読みやすい形に整えてみます。

きっかけは、北村菜々美だった

まず聞いたのは、二人がいつ頃からベレーザを見ているのか、そしてベレーザを見るようになったきっかけです。

結論から言うと、二人ともかなりはっきりしていました。北村菜々美選手です

アウェイゲームでの北村菜々美選手
二人がベレーザを見るきっかけになった北村菜々美選手。
ともか
ともか
ベレーザを見始めたのは、WEリーグ開幕の2021年9月からです。きっかけは、その直前にやっていた東京オリンピックで北村菜々美選手を見かけて、行ける範囲のベレーザにいるんだったら見てみよう、みたいな感じでした。
マト
マト
もう完全に北村菜々美を見に行ったってことだよね。
ともか
ともか
はい。交代で入ってきた時に映った顔がかっこよくて、すぐに調べました。
るぱ
るぱ
私は2022年ぐらいからです。旦那に「女子サッカーのプロリーグあるらしいよ、見に行ってみらん?」って誘われて見に行ったら、めっちゃおもろいやんってなって。それこそ私も、ビジュアルで北村菜々美選手に一目惚れして、そこから見に行っています。

サッカーの入り口は、戦術でもクラブ史でもなくていいのだと思います。

「かっこいい」「見てみたい」「気になる」。それだけでスタジアムに行っていいし、そこから応援が始まってもいい。むしろ、その直感の強さが人を現地へ連れていくのだと思います。

一人で、日帰りで、食べたいものがあれば行く

次に、それぞれの遠征スタイルを聞きました。

ともかさんは基本的に一人で行くことが多く、日帰り派。最初は試合が大きな理由だったとしても、一度行った場所が増えてくると、だんだん「その土地で何を食べるか」「どのお店に行くか」が大事になってくるそうです。

マト
マト
遠征は一人で行くことが多いよね。
ともか
ともか
はい、基本全部一人です。日帰り派です。
マト
マト
試合中心? 観光やごはんも重視する?
ともか
ともか
最近は、一回行ったことある場所が多いので、ごはんとかの楽しみがないとちょっと腰が重いところはあります。食べたいものがあるとか、行ってみたいお店があるとかだと、結構行く理由になります。

「試合あんまり関係ない。最近は場所ですね」と言い切っていたのが印象的でした。

もちろんタイトルがかかっている試合なら行きたくなる。でも、遠征を重ねるうちに、試合だけではなく街そのものが行く理由になる。これはアウェイ遠征の面白さをかなりよく表している気がします。

一方でるぱさんも、一度行った場所へのモチベーションが下がる感覚にはかなり共感していました。

るぱ
るぱ
一回行ったところのモチベがない、はめっちゃ分かる。行ける範囲が限られているし、レンタカーも借りないから、大きな駅から行きやすい観光地とかに限られてきて、正直モチベーションが下がる。

WEリーグは対戦相手も遠征先もまだ多くありません。だからこそ、同じ場所に行くたびに「今回は何を食べるか」「どこに寄るか」が重要になっていくのかもしれません。

ともかさんの場合、もともと別の趣味でも遠征をする文化に触れていたそうです。個人名は出しませんが、アイドルを追いかける中で「遠くまで行く」こと自体への抵抗感があまりなかった、と話していました。

ともか
ともか
遠征に対する抵抗感は、それであまりなかったかもしれないです。一人でどこでも行っている友達がいっぱいいたので。

これはけっこう大事な話だと思いました。

熱心なファンがアウェイに行くようになる背景には、試合そのものへの熱量だけでなく、「遠征」という行動に慣れているかどうかもあります。遠征を特別な大冒険ではなく、好きなものを見に行くための自然な手段として捉えている。その感覚が、サッカーにもそのまま接続されているように見えました。

一方で、ホームとアウェイの感覚については二人で少し違いがありました。ともかさんは「スタジアムの中ですることは変わらない」と話していたのに対して、るぱさんはアウェイの方が燃えるタイプでした。

るぱ
るぱ
一緒のチームを応援している人が少ないから、逆に燃えちゃう。アウェイだと応援に熱が入っちゃうタイプだから、全然違うと感じます。
ともか
ともか
遠くに行けば行くほど、コアなサポーターしかいないというのはすごい感じます。
昨季印象に残った遠征

ここから、昨季印象に残った遠征を挙げてもらいました。

ともかさんが挙げたのは、開幕戦のINAC神戸戦、カップ戦の広島、そしてAWCL決勝の韓国。るぱさんは、新潟、長野、大阪、韓国でした。

面白かったのは、試合内容そのものよりも、その遠征がどういう体験だったかの方が強く残っていることです。

ともかさんにとって、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で行われた開幕戦のINAC神戸戦は「今年のベレーザを初めて見た試合」であり、相手チームの吉田莉胡選手が移籍後初ゴールを決めた試合でもありました。ベレーザとしては苦しい内容で、しかも大雨。だからこそ、かなり強く残っているようでした。

雨の神戸遠征
雨の神戸ユニバー。天候も含めて、開幕戦の記憶は強く残る。
ともか
ともか
神戸は試合面ですね。開幕で今年のベレーザを初めて見て、こんな感じかって思ったのもあるし。あと吉田莉胡が移籍して初めてゴールを決めているのを見て、この人はどんどん成長していくんだなって、相手チームながら思ったのをすごく覚えています。
ともか
ともか
雨で大変だったなっていうのも覚えています。

広島は、スタジアムと運営の印象が強かった遠征でした。エディオンピースウイング広島に行ってみたかったこと、レジーナが盛り上がっている空気を肌で感じられたこと、そして試合後に牡蠣を食べて新幹線で帰るところまで、きっちり遠征として組み立てていたそうです。

ともか
ともか
ピースウイングにずっと行ってみたくて。すごく良いスタジアムだし、運営もしっかりしているし、いいなと思いました。4月のカップ戦で行ったのが初めてだったので、印象に残っています。
ともか
ともか
牡蠣を食べました。広島に行くなら食べようって決めていて、試合の後ここに行って食べて、新幹線に乗って帰ろう、みたいなのをちゃんと決めていました。
広島遠征で食べた牡蠣
広島遠征で食べた牡蠣。試合後のごはんまで含めて遠征の記憶になる。

そして韓国。ともかさんにとっては「今年最後の試合」であり、いろいろな感情が残った遠征でした。

ともか
ともか
韓国は、今年の最後の試合だったっていうのと、やっぱりいろんな気持ちになったので、すごい記憶には残っています。行ってよかったです。悔しかったですけど、あれをスタジアムで感じられたことが良かったなと思っています。
AWCL決勝の韓国遠征
水原総合運動場で見たAWCL決勝。悔しさも含めて、現地で見たからこそ残る記憶。

るぱさんが挙げた新潟、長野、大阪は、韓国以外は基本的に観光の記憶として残っているとのことでした。ただし新潟だけは、北村菜々美選手が接触で交代した場面が強く残っていたそうです。

るぱ
るぱ
韓国以外は全部、観光系で残っているかな。新潟だけ、菜々美さんが削られて交代したのね。それだけは新潟の試合はすごい覚えてる。勝ったんだけど、えっ、大丈夫? みたいな感じで、すごい残ってる。
るぱ
るぱ
私は雰囲気で見る人だから、細かい選手がどうのこうのとかは分からないけど、残ってるかな、新潟。

るぱさんは、大阪の試合結果や得点シーンについてはかなり曖昧でした。つまり、完全に観光重視派です。

るぱ
るぱ
完全雰囲気。試合はもう、菜々美ちゃんが頑張ってくれる、楽しそうにしてたらいい。
ともか
ともか
ほぼ同意です。
るぱ
るぱ
韓国は、初めての海外だったから。あと、お母さんと一緒に行ったんだけど、お母さんと海外旅行をするっていうのが夢にも思ってなくて。親孝行じゃないけど、親に恩返しできたらいいなって思いながら行った遠征でもあるかな。
マト
マト
実際どうでした? 楽しかったですか?
るぱ
るぱ
楽しかった。お母さんを人間として見れて。母親としか見てなかったから、っていうのも含めてよかったかな。
雨の韓国遠征のスタジアム
るぱさんが見た雨の水原総合運動場。初めての海外遠征は、天気も含めて記憶に残る。
韓国旅行の様子
韓国遠征での旅行の一場面。試合だけではない時間も、遠征の記憶になる。
韓国旅行の様子
初めての海外としての韓国遠征。母との旅行としても残った一日。

これは、試合の勝ち負けだけでは絶対に出てこない遠征の記憶です。

AWCL決勝の結果だけを見れば悔しい遠征だったかもしれません。でも、その遠征が「初めての海外」であり、「母と一緒に行った海外旅行」でもあったなら、残るものは単なる敗戦とはまったく違います。

アウェイ遠征は、試合のために行くものではあります。でも同時に、人生の中の一日を、その街で過ごすことでもあります。

マンチェスターまで行った話

ともかさんには、元ベレーザの選手を追ってマンチェスターまで行った話も聞きました。

本人はあまり「キラキラした遠征」として語るタイプではないのですが、国内アウェイの延長線上に、自然に海外遠征があるような感覚が面白かったです。

マト
マト
マンチェスターに行った時、一番印象に残っていることってありますか? 試合や遠征全体も含めて。
ともか
ともか
マンチェスターにいた時間がすごく短くて、観光はしてないんですけど、スタジアムだと普通に人が多いのと、楽しそうな人がいっぱいいるなっていう印象でした。日本とは違う空気がありました。
マンチェスターの駅
マンチェスターの街で見た駅の風景。
Manchester City Joie Stadium
マンチェスターで訪れたManchester City Joie Stadium。

「海外に行った」という大きな話なのに、語り口はかなり淡々としていました。

でも、その淡々とした感じが逆に、ともかさんの遠征観を表している気がします。行きたいと思ったら行く。見たいものがあるなら行く。そこに、必要以上のドラマを乗せすぎない。

たぶんその軽やかさこそ、アウェイに行くうえで一番強いのだと思います。

初心者におすすめするなら、大阪・新潟・長野

これからアウェイ遠征に行ってみたい人に向けて、おすすめの遠征先も聞きました。

まずるぱさんが挙げたのは、長野と新潟です。

長野遠征のスタジアム風景
長野Uスタジアムは、空気とスタジアムの印象が強く残る遠征先。
るぱ
るぱ
私は長野と新潟が大好き。長野は空気が美味しい。スタジアムは行きづらくなっちゃったけど、感覚的にいいところだからおすすめ。新潟は日本酒がうまい。最高。新潟に住みたい。

新潟に住みたい。

かなり強い言葉です。

ともかさんは、大阪と新潟を挙げていました。

新潟遠征で飲んだ日本酒
新潟遠征の楽しみとして話題に上がった日本酒。
ともか
ともか
あんまり遠征に行ったことがない人におすすめするなら、大阪と新潟です。大阪は行きやすいのもそうなんですけど、スタジアム以外の場所が充実しているので、食べ物だったり、大阪にしかないお店だったり、試合以外の予定も組み合わせやすいからおすすめです。
ともか
ともか
新潟もお酒とご飯が美味しい。あとは関東から行きやすいのも大きいですね。

大阪は新幹線で行きやすく、試合以外の予定も組みやすい。新潟はごはんと日本酒が強い。長野は空気とスタジアムがいい。

大阪遠征での観光風景
大阪遠征は、アクセスのしやすさと試合以外の観光を組み合わせやすいところが魅力。

こうして並べると、初めてのアウェイ遠征に必要なのは、必ずしも「絶対に勝てそうな試合」ではないのかもしれません。

行きやすい。食べるものがある。試合以外の楽しみがある。それだけで、遠征のハードルはかなり下がります。

大阪については、二人とも北村菜々美選手のファンということもあり、選手ゆかりのたこ焼き屋さんの話にもなりました。お店はたこやき酒場 choiceスタッフブログにも北村菜々美選手が紹介されていて、店内には現在とは少し違うデザインのサインが飾られています。ヨドコウ桜スタジアムからも行きやすい距離にあるとのことでした。

北村菜々美選手の旧デザインのサイン
大阪遠征で立ち寄りたい、北村菜々美選手の現在とは少し違うデザインのサイン。
マト
マト
大阪に行ったら、菜々美ちゃんにゆかりのあるたこ焼き屋さんに行ってほしいですね。サインが飾ってあるからね。あれはレア。
ともか
ともか
スタジアムから近いじゃないですか。大阪に行ったらぜひ。
るぱ
るぱ
美味しいしね、たこ焼きもね。

長野では、るぱさんがスタグルのうどんをおすすめしていました。長野といえば量の多い焼きそばの印象もありますが、橙宴さんのうどんもかなり良かったそうです。

長野遠征で食べた橙宴さんのうどん
るぱさんおすすめ、長野のスタグルで食べた橙宴さんのうどん。
るぱ
るぱ
長野のスタグルで、メイン側に売ってるうどんがめっちゃ美味しい。毎回出しているわけじゃないんだけど、うまい。

ともかさんはスタグルよりも、試合後に地元のお店へ行くことが多いタイプ。新潟では、ごはんと日本酒が美味しかったお店が印象に残っていて、そこから「新潟に行ったら日本酒は絶対飲みたい」と思うようになったそうです。

ともか
ともか
スタジアムに着くのがギリギリなので、食べてる時間がないのが一番なんですけど、できるなら地元のものを食べたくて。他のお店に試合の後とかに行くことが多いです。
ともか
ともか
新潟のご飯と日本酒が美味しかったお店は、行ってよかったなと思いました。日本酒は新潟で初めて飲んで美味しくて、そこから新潟に行ったら日本酒は絶対飲みたいなと思っています。
試合結果と遠征の楽しさは関係あるのか

遠征の話をしていると、避けて通れないのが試合結果です。

勝った遠征は楽しい。負けた遠征はつらい。普通に考えればそうなのですが、実際にはもう少し複雑でした。

マト
マト
試合結果と、遠征の思い出に残っている度って関係ある? 勝ち負けって遠征の楽しさに影響する?
ともか
ともか
行くのが大変だった場所で負けると、帰りの足が重くて。楽しかっただけでは帰れないです。雨の中の神戸とか、めっちゃ行くのが大変だった鳥取とか、その辺は悔しかった気持ちを覚えています。
るぱ
るぱ
私は関係ないです。負けていくら悔しくても、酒飲めば忘れるから。試合結果の気持ちを浄化させる、いつも。

この対比がかなりよかったです。

行くのが大変だった場所で負けると、帰りの足が重い。これは本当にそうです。遠ければ遠いほど、雨が降っていればいるほど、帰り道の敗戦は身体にきます。

一方で、るぱさんの「酒飲めば忘れる」も、遠征の真理のひとつです。

負けても、ごはんが美味しければ少し救われる。美味しいものを食べて、遠征先の時間を楽しめれば、悔しさも少しずつ浄化される。だからアウェイ遠征において、ごはんや寄り道はかなり大事です。

街・ごはん・スタジアムの記憶

街の話では、ともかさんが「Jリーグが根付いている街」の話をしてくれました。

ともか
ともか
新潟とか大阪とか、Jリーグが根付いていて、街にフラッグがいっぱい出ているようなところは、遠征で来たぞって感があるので好きですね。広島とかもそうだと思うんですけど。

これはかなり分かります。

駅を出た瞬間にクラブのフラッグがある。商店街にポスターがある。スタジアムまでの道に、街がクラブを迎える雰囲気がある。

それだけで「遠くまで来た」という感覚が強くなります。単に試合を見に来たのではなく、この街のサッカーを見に来たという感じがするのです。

そして、広島のスタジアム体験についても印象的な話がありました。

広島遠征のスタジアム風景
エディオンピースウイング広島では、スタジアムの見やすさだけでなく、会場全体のつくり方も印象に残った。
ともか
ともか
広島は印象に残っています。試合中に応援している様子をビジョンで映していて、どの歌を歌っているかも歌詞になって大きいビジョンに映るので、初めて行った人も分かるし。目の前の試合が少し落ち着く時間帯でも、ビジョンを見ているだけで楽しめる。サッカーだけ100パーセントで勝負していないところが、だから盛り上がるんだろうなって思いました。

「サッカーだけ100パーセントで勝負していない」という表現が面白かったです。

もちろんピッチ上の試合が中心です。でも、観戦体験はそれだけではありません。ビジョンの使い方、応援歌の見せ方、初めて来た人を置いていかない仕組み。そういう細かい積み重ねが、スタジアムの空気を作っていくのだと思います。

スタジアムそのものの話では、るぱさんはフクアリ(フクダ電子アリーナ)を挙げました。見やすさと雰囲気を含めて好きなスタジアムとのこと。僕は、ノジマステラ神奈川相模原やちふれASエルフェン埼玉の会場づくりが印象に残っていると話しました。

フクダ電子アリーナ
見やすさと雰囲気の良さで名前が挙がったフクアリ(フクダ電子アリーナ)。
るぱ
るぱ
私はフクアリ。見やすい。二階が開けば二階がいいけど、私はフクアリ好きだな。雰囲気含め。
マト
マト
僕はノジマとちふれなんだよね。売店が多かったり、会場を盛り上げようとしている雰囲気があったり、Jクラブ母体ではないチームだからこその必死さみたいなものが印象に残っていて。

ノジマステラ神奈川相模原については、るぱさんもイベント面で印象に残っていました。相模原ギオンスタジアムで行われていた来場者向け企画や、国際女性デーに合わせたミモザ配布など、クラブが会場で何を体験してもらうかを考えている感じがあったそうです。

るぱ
るぱ
ノジマはイベント頑張ってるなって思う。ハンドマッサージをやっていたり、国際女性デーの時にミモザを配っていたり。小さい鉢のミモザを配って、育ててくださいみたいな感じで。うち、まだ育ててるんだけど。
ノジマステラ神奈川相模原の試合で配られたミモザ
国際女性デーに合わせて配られたミモザ。会場での体験づくりが印象に残った。

会場の設備、売店、ビジョン演出、イベント、街とのつながり。アウェイに行くと、各クラブがどこに力を入れているのかが見えてきます。

そして、埼スタ(埼玉スタジアム2002)での浦和戦のように、女子の試合では普段あまり感じない「圧」を受けることもあります。

埼玉スタジアム2002
埼スタ(埼玉スタジアム2002)で感じた、普段のWEリーグとは少し違うアウェイの圧。
ともか
ともか
浦和の人たちが集まった時の圧はすごいなと思いました。普段のWEリーグとは違う空気を感じました。

WEリーグの試合は、良くも悪くも穏やかな空気が多いです。だからこそ、埼スタで感じた赤い圧はかなり特別でした。アウェイに行くと、相手クラブの文化やサポーターの温度も含めて、普段とは違うベレーザの試合が見えてきます。

行くのが大変だった遠征

行きやすい遠征がある一方で、やはり大変だった遠征もあります。

ともかさんが最初に挙げたのは鳥取。るぱさんは石巻でした。

鳥取遠征の風景
Axisバードスタジアムへの移動の大変さも含めて記憶に残る鳥取遠征。
ともか
ともか
一番最初に出てくるのはやっぱり鳥取ですね。いい時間の駅からスタジアムまでのバスが少なくて困りました。
るぱ
るぱ
大変だったのは石巻だね。仙台から結構電車に乗るし、石巻駅からもバスの本数が少ないし。行った時が大雨だったから、特に厳しく感じた。

天候は遠征の難易度を一気に上げます。

特に屋根が少ないスタジアムや、雨宿りできる場所が限られている会場では、試合前後の時間がかなりつらくなります。るぱさんは、雨の日の遠征について「レンタカーを借りた方がいいなと思った」と話していました。

雨の石巻遠征の風景
石巻フットボール場(セイホクパーク石巻)。雨やアクセスの難しさが重なると、遠征の体力消費は一気に大きくなる。

遠征初心者向けに言うなら、たぶんこうです。

雨予報の日は、スタジアムまでのアクセスだけでなく、待機場所や避難場所も確認しておく。屋根がない会場では、試合を見る前から体力を削られることがある。

あと、ともかさんの「バスに乗るか、歩くかで迷って歩いて、バス乗ればよかったと思うことがある」という話も、遠征あるあるでした。

栃木遠征の風景
歩くか、バスを待つか。遠征先では小さな判断が意外と大きい。
ともか
ともか
栃木に行った時、帰りにバスを待って乗るか歩くか迷って、歩いたんですけど、すごい疲れたし、歩いたのに乗りたかった電車に乗れなくて。だったらバスに乗ってどこかで待っていればよかったなと思いました。

歩けそうに見える距離でも、試合後の身体にはけっこうきます。しかも電車に間に合わないなら、ただ疲れただけになります。

遠征には、こういう小さな判断ミスも含まれます。

到着時間の感覚も、人によってかなり違いました。ともかさんは、できればキックオフ2時間前には着きたいけれど、実際にはアップに間に合えばよし、くらいになることが多いそうです。

ともか
ともか
余裕を持ってキックオフの2時間前に行きたいんですけど、あんまり行けてなくて。アップに間に合えば、選手が出てきて挨拶してくれるじゃないですか。あれに間に合えば、まあよしぐらいです。

一方、僕はかなり早く行くタイプです。早く着いても、席に座ってスマホを見ているだけだったりします。それでも、現地で暇をしている方が落ち着く。

ともか
ともか
早く行って何してるんですか? いつも。
マト
マト
何もしてない。席に座ってスマホ見てるから。

このへんは本当に人それぞれです。早く着いて安心したい人もいれば、ギリギリまで寝ていたい人もいる。遠征には正解がなくて、自分に合った時間配分を見つけるしかありません。

ただ、早い便を取りすぎて現地で中途半端に時間が余ることもあるそうです。

ともか
ともか
早い新幹線とか飛行機を取りすぎて、家を出るのがめっちゃ早いとか、向こうに着いてから本当に暇とかはよくやるので、ちゃんと考えて取ろうって毎回思います。

遠征は、早すぎても遅すぎても難しいです。

なぜアウェイまで行くのか

今回、一番聞きたかったのはここでした。

ベレーザを応援したいだけなら、ホームに行けばいい。配信で見ることもできます。それでも、なぜアウェイまで行くのか。

ともかさんの答えは、かなり明確でした。

ともか
ともか
一個明確にあるのは、毎週サッカーがある状態にできることだと思っていて。現地がすべてだとは思っていないんですけど、やっぱり私は現地で見るサッカーが好きなので。毎週その状態にするには、自分が行くしかないっていう。
ともか
ともか
あとは、同じサポーターの人たちがアウェイで楽しそうにしているのを見ると、行けばよかったとも思うので。だったら行ってしまおう、というのもあります。

毎週サッカーがある状態にするには、自分が行くしかない。

かなり力技のようでいて、すごく本質的です。

ホームだけを待っていたら、現地で見られる試合は限られます。でもアウェイにも行けば、週末の予定の中にサッカーを置き続けることができます。サッカーがイベントではなく、生活のリズムになる。

ともかさんにとって、遠征というより、サッカーそのものがかなり日常に溶け込んでいるようでした。

マト
マト
遠征は生活の中でどういう存在になっていますか? 楽しみに仕事を頑張る、みたいなのはある?
ともか
ともか
あまりなくて、もう日常かもしれないです。当たり前に試合があって、土日になったら試合が来るもの、みたいな感覚ですね。遠征が、というかサッカーがですね。

一方で、るぱさんの答えはもっとシンプルでした。

るぱ
るぱ
私は本当に申し訳ないけど、菜々美ちゃんを見たいから行ってる。生で見る機会を逃すまいと行っています。
るぱ
るぱ
存在を見たいから。元気にしているのを見たいから。

これも、とても大事な話だと思います。

チームを応援する理由は、必ずしもクラブ全体への大きな物語でなくていい。ひとりの選手を見たい。元気にしているのを見たい。その存在を現地で確認したい。

そういう感情が、人をアウェイまで連れていきます。

実際、二人とも北村菜々美選手が出ないことが分かっている試合だと、どれだけ遠征先の環境が良くても腰は重くなると話していました。かなり正直で、でもとても自然な感覚だと思います。

るぱさんにとって遠征は、生活の中でかなり大事な予定になっているそうです。

るぱ
るぱ
遠征に行くから頑張ろうって思う。嫌なことがあっても、これは遠征費を稼ぐためにやってることだからって切り替えられる。

ここまで来ると、遠征はただの娯楽ではありません。

週末に現地へ行くために平日を乗り切る。遠征費を稼ぐために働く。現地で選手の姿を見ることで、また日常に戻っていく。

アウェイ遠征は、生活の外側にある非日常でありながら、同時に生活を回すための燃料にもなっているのだと思います。

他のスタジアムを知ると、ベレーザの見え方も変わる

アウェイに行くことで、ベレーザの見え方は変わるのか。

ともかさんは、他クラブのスタジアム運営を知ることで、逆にベレーザの良さも見えると話していました。

ともか
ともか
他のクラブが運営しているスタジアムを知って、ベレーザってこういうところがいいんだ、というのを知れる面では変わると思います。
ともか
ともか
やっぱりスタジアムが小さいのは、今の良さだと思っていて。バックスタンドでも距離が近いし、より人が入っているように見えるのもいいなと思っています。あとはベレーザパークとかも結構いいと思っていて、楽しんでいる子どもたちがいるのもいいですね。

これはアウェイに行く人ならではの視点です。

他のクラブの良さを知ると、ベレーザに足りないものも見える。逆に、ベレーザの良さも見える。スタジアムの距離感、子ども向けの取り組み、会場のまとまり方。

西が丘でのベレーザのホームゲーム
味の素フィールド西が丘の距離感とコンパクトさは、他のスタジアムを知ることで改めて見えてくるベレーザの良さでもある。

アウェイ遠征は、ただ相手のホームに行くことではなく、自分たちのホームを外から見直す機会でもあるのだと思います。

北村菜々美、契約更新

座談会の終盤には、ちょうど発表された北村菜々美選手の契約更新の話にもなりました。

マト
マト
菜々美ちゃんの更新、嬉しかったですね。不安でした? 二人とも。
るぱ
るぱ
よかったよ。韓国では話してたもんね。どうなんだろう、行かないんじゃない? とか言いながら。
ともか
ともか
そうですね。ワンチャンどこか行くかなとは思っていました。

この記事の冒頭で、二人とも北村菜々美選手がきっかけでベレーザを見始めたと書きました。

その二人にとって、契約更新は単なる編成情報ではありません。来季もまた、現地へ行く理由がそこにあるということです。

大阪遠征の話でも、北村菜々美選手の存在感は出てきました。セレッソ大阪ヤンマーレディース戦では、相手サポーターからも愛されているような空気があり、それを見るのも大阪遠征の楽しみのひとつだと話していました。

マト
マト
大阪は、北村菜々美が相手のファンから愛されているというか、「うちからゴール決めんなよ」「毎回決めてんじゃん」みたいなことを試合後にやってるのを見て、こっちもほっこりするんですよね。

一方で、契約更新が出るまでは不安もありました。大阪にゆかりのある選手でもあるので、オフの時期には「もしかして」と少し不安になることもありました。もちろん外から見ているだけなので実際のことは分かりません。ただ、それくらい残ってほしい選手だった、ということです。

ひとりの選手が残ることで、人が動く。アウェイにも行く。街でごはんを食べる。スタンドが少し緑になる。

そう考えると、選手の存在が持つ力は本当に大きいです。

来季、どこへ行くか

最後に、発表されたばかりの来季日程を見ながら、どこへ行きたいかも話しました。

2026/27 WEリーグ 日テレ・東京ヴェルディベレーザ対戦カード
画像引用元:日テレ・東京ヴェルディベレーザ公式サイト「2026/27 WEリーグ 第1節~第22節、2026/27 WEリーグカップ戦 リーグステージ第1節~第8節の対戦カード発表!」

日程表を眺めながら話す時間は、ほとんど遠征好きの雑談でした。長野、広島、仙台、大阪、神戸。行けるかどうかを考えるだけで、もう楽しい。

特に長野は、話しているうちにともかさんの気持ちが少し動いていました。

ともか
ともか
長野と仙台、見に行ったことなくて。長野ってアクセスが悪いイメージがすごくあって、あんまり調べもしないで行くのをやめてたんですけど、お二人の話を聞いて、ちょっと楽しそうだなと思って行こうか迷ってきました。
マト
マト
長野はアクセスが悪い悪いって言われてるけど、長野駅まで新幹線で行って、そこからローカル線に揺られて、タクシーに乗れば結構すぐだから。行った方がいいって思う理由は、やっぱりスタジアムが最高にいいから。

こういう瞬間が、座談会をやってよかったところです。行ったことがある人の話を聞くと、行ったことがない場所の解像度が上がる。ぼんやり「遠そう」「大変そう」と思っていた場所が、少しだけ現実的になります。

日程的には、平日の仙台がどうなるか、神戸と大阪が近い時期に並ぶところをどうするか、年度末に関西遠征をどう組むか、みたいな話も出ました。

マト
マト
神戸と大阪がほぼかぶってるんですよ。どっちか切り捨てないといけないか、どっちも行くなら一週間休みを取って関西に滞在するのもありかも。
るぱ
るぱ
年度末に? 無理だよ。

ともかさんが挙げたのは大阪と神戸です。

ともか
ともか
やっぱり大阪は行きたいです。無条件で行きたい。あと神戸はノエスタに行ったことがないので行きたいです。やっぱり行ったことないスタジアムは、まだ行きたいなっていう気持ちはあります。

行ったことがある人の話を聞くと、行ったことがない場所のハードルが少し下がる。

この座談会でやりたかったことは、たぶんこれです。

アウェイ遠征は、最初の一歩が少し重い。でも、誰かが「そこはごはんが美味しいよ」「スタジアムがいいよ」「意外と行けるよ」と話してくれるだけで、少し現実味が出てくる。

おわりに

今回話していて、アウェイ遠征の楽しさはひとつではないのだと改めて思いました。

毎週サッカーがある状態にするために行く人がいる。選手の存在を見たいから行く人がいる。街の空気やごはんや日本酒を楽しみに行く人がいる。負けた悔しさを抱えて帰る人もいれば、美味しいお酒で浄化して帰る人もいる。

どれも、たぶん全部正しいです。

アウェイ遠征は、試合を見に行くことです。でもそれだけではありません。知らない街に行き、その街のスタジアムでベレーザを見て、帰ってくる。その一連の体験が、自分の中に少しずつ積み重なっていきます。

アウェイ遠征って楽しそう。
次は自分も行ってみたい。

この記事を読んで、そう思ってくれる人が少しでもいたら嬉しいです。

そして来季、どこかのアウェイのスタンドが、今より少しだけ緑に染まっていたら。

それはかなり、いいことだと思います。

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「好きだから撮れる写真がある」ベレーザ/ヴェルディ写真座談会2026【日記さん】
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