篠ノ井駅から長野Uスタジアムまでテクテク

アインシュタインの相対性理論によれば、「空間を移動する速度が速いほど、流れる時間は遅くなる」という。

光の速さに近づけば近づくほど、時間の経過は限りなくゼロに近づいていく。現代のテクノロジーは新幹線やリニアモーターカー、飛行機を生み出し、我々を「より速く」移動させることに執着してきた。

それはまるで、人類が本能的に「老い」や「時間」という絶対的な概念から逃れようとしているかのよう。

だが、少し立ち止まって考えてみてほしい。我々はそこまでして時間を切り詰め、一体どこへ急いでいるのだろうか。

時には速度を落とし、空間をじっくりと味わい、世界と同じ速度で時間を共有することこそが、現代人にとって真の贅沢なのではないか。時速約4キロメートル。それは人類に与えられた最も原始的で、最も世界と調和できる速度である。

究極のアンチ・タイムパフォーマンス。その真理を身をもって証明し、効率化に囚われた現代社会に一石を投じるための活動。

それが、「ヴェルディ徒歩部」です。

……というわけで今回は、篠ノ井駅から長野Uスタジアムまで歩いてみました。約50分程度の道のりです。

先週、石巻駅から試合会場まで約40分程度の道のりを歩いたばかりですが、なぜ2週続けて徒歩部活動を行っているのでしょうか。

理由はシンプルです。長野Uスタジアムの最寄り駅である篠ノ井駅からのシャトルバスが廃止されたからです。

最寄り駅から徒歩50分かかるにもかかわらず、その区間の移動手段がオフィシャルで用意されていないのは正直どうかと思わなくもないですが、代替手段もないのでタクシーを使うか、歩くかのどちらかになります。

アンチ・タイムパフォーマンス。私たちは歩くことに決めました。

というわけで、ちょっと前段から語らせてください。

いままで私たち夫婦は、この数年で数え切れないほど長野駅近辺までアクセスしているのですが、主に使ってきたのが「夜行バス」です。

新宿発の深夜便に乗って早朝に到着し、少し休憩してからスタジアムに向かう。そんな“限界遠征”のゆるめバージョンのような形でアクセスしていました。

理由はやっぱり値段ですね。新幹線だと往復1.5万円くらい、夜行バスだと半額に近いくらいまで抑えられるんですよね。

全部のアウェイに行きましょう!みたいなモチベーションの人間にとって、「長野くらいは夜行バスで行かないとね……」という気持ちもあります。

ただ、結局夜行バスで移動をしても、早朝の長野駅に到着して暇つぶしのためにお金を使う、みたいなことをやっていて、体力だけを消費したうえに結果的に移動費もそこまで変わらない、みたいなことが起きていました(wow)。

「そんなんだったら最初から新幹線で移動しよや」ということで、東京駅から長野駅までを優雅に“高速移動物体”に乗ることにしました。

快適すぎて横転。

最初からこうしておけば良かったですね。人生の勉強になりました。長野駅はこれまで、もっとしんどい体調のなかで過ごすことが多かったので、万全のコンディションでいるのがむしろ新鮮でした。

ということで、いざ参ります。

以下、写真と振り返りです。

長野駅って面白いのが、新幹線ホームじゃない普通の電車のホームにも喫煙所があるんですね。

そしてここが今回の徒歩部活動のスタート地点、篠ノ井(しののい)駅です。道中はちょうどやっていたWBCの試合を見ながらでしたが、森下が3ランホームランを打ったりしていい感じの状況でした。日本も頑張れ。

駅近辺ですが、それなりにパルセイロカラーが出ていて、各個人商店の方々にパルセイロのトレーニングウェアが飾られているようでした。その中には普通に雨ざらしになっているウェアもあり、「いや、そこはもう少し守ってあげてくれ」と思いました。

先程言ったように、近辺の個人商店には高確率でパルセイロのトレーニングウェアが飾ってありました。おそらくスポンサーやパートナーというつながりというより、最寄り駅周辺ということで掲出されているのかな、と思いました。

ただ、その中でも、八十二銀行だけはパルセイロのトップパートナーらしく、ちゃんとしたユニフォームが飾ってありました。植物を育てる時に使う棒に飾ってある斬新な見せ方で、「いいな」と思うなどしました。

連想ゲームでちょっと脱線してしまうのですが、ユニフォームの保管方法って人それぞれあると思うんですよね。たまにXなどで流れてくる「100均のA4ファイルに入れると綺麗に保管できます!」系のポストって、あれ長期保管にはあまり向かなさそうだなと思うことがあります。

というのも、ユニフォーム管理において通気性の悪いところで保管をすると、湿気などの影響も相まってユニフォームに施されているマーキングが加水分解で剥がれたり、ボロボロになったりすると言われているためです。

たしかにA4ファイル管理は整理しやすいのだと思いますが、通気性の面では少し気になります。個人的にはサッカーのユニフォームは鑑賞するためのものだとも思っているので、ぱっと全体像を眺めてニンマリできる保管方法のほうが好きです。

まあ、さすがに乾燥剤等で対策はされているのだと思いますが、「そ、そんな通気性の悪い状態の保管でいいの!?」と気になったりすることがあります。すみません、脱線してしまいました。

明朗会計の「田舎亭」というお店。いまどき“明朗会計”を前面に出しているのがちょっとおもしろくて、つい写真を撮りました。田舎亭があるなら「都会亭」とかあるのかな?と少し調べてみたのですが、見当たりませんでした。

田舎亭の近くにあった、少し雰囲気のお洒落なお店の壁に書いてあった「BEER・WINE・SAKE」。ビールもワインも広い意味では酒では?と思いつつ、こう並べたくなる気持ちもわかる気がしました。

急に出てくる「に志かわ」。高級パン屋さんがなぜこんなところに?

店構えと店先に記載されているメニューのフォントが一致していないのではないかと思ったお店。日本古風の玄関と入口に対して、急にポップな字体で「ジャンボかき揚げ丼♪」と書いてあるギャップが面白かったです。

私たち夫婦は消防署があるとつい興奮してしまうのですが、長野の消防署にはでっけ〜物差しみたいなものがありました。クリスティアーノ・ロナウドのヘディングって、たしかあの一番上あたりまで届くんじゃなかったっけ、と思いました。

と、まあ、それからテクテクと歩みを進めていくと、いつもシャトルバスで向かうルートに入ったので、スタジアム到着まであと少しです。

石でできた風車がありました。何個かは回っていたのですが、奥さんの考察では「電気で回しているんじゃないか」と言っていました。結論はわかりません。

ということで、長野Uスタジアムに到着。大体歩いて1時間くらいでした。特にスタジアムが見えてからの道のりがつらすぎました。スタジアムが見えているのに歩けど歩けど到着しない、“見えているのに着かないスタジアム”ランキングの1位が更新されました(現在2位はパナスタです)。

というわけで無事到着。ベレーザの試合で初めてアウェイ遠征をした場所、長野Uスタジアムです。この日は最高気温7度、最低気温2度。数字で見る以上に体感が厳しく、長野という土地をちょっと甘く見ていました。

寒い中でキンキンになったハイボールをいただくというのは乙ですね。ちなみに、これのせいで体感温度がグッと下がって終始凍えかける結果となりましたが……

長野Uスタジアムはホームゴール裏の通路を通って移動しなければいけないので、ちょっとのぞかせていただきましたが、ホームのゴール裏からの景色がこれって凄いことですね。全席屋根付き、2階席ありで施設も綺麗という、やっぱり長野Uスタジアムはいいところです。

試合結果は序盤に2点を先制されて「やばい」となっていたところを、なんとか3点取り返して、また追いつかれて、最後は小林里歌子のとんでもない弾丸ボレー。ネットを突き破りそうな勢いで突き刺さって勝負ありでした。4−3という劇的な試合で勝利を掴み取りました(危なかった)。

なお、ここまで読むと「徒歩50分、意外と悪くないのでは?」と思われるかもしれませんが、それはベレーザが勝ったからです。

負けていたらたぶんこの記事のタイトルは「篠ノ井駅から長野Uスタジアムまで歩いてみました」ではなく、「徒歩とは何か」になっていたと思います。

というわけで、今回の結論です。徒歩はタイムパフォーマンスの対極にある行為ですが、街の空気も店先の違和感も、雨ざらしのウェアも、全部ちゃんと拾えるという意味では、かなり贅沢な移動手段でもありました。

ただし、シャトルバスがあるなら、普通にそっちに乗りたいです。

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